お部屋探しの際に行われる“内見”。
ご存じの方も多いと思いますが、何を指すのかというと「お部屋の中を見ること」です。
世間一般にお部屋探しと言って想像するのは、まさにこの“内見”の事かと思います。
賃貸と言えど多くの時間を過ごし生活の中心となるお部屋を選ぶに当たって、その快適性を量る事は最重要。
内見は現地でその確認を行う行為として欠かせないものと考えられています。
それでは、内見において確認すべき内容とは何でしょうか?
内見の成果を最大化する為、まずはその具体的内容を挙げていきましょう。
まずは物件がどんなエリアに建っているかを確認しましょう。
できれば自分がよく使う時間帯に行ってみると、実際住み始めてからのイメージがわきやすいです。
マンションは自分だけの建物ではなく他の方も使用します。共有部分の管理が行き届いているか、必要な設備が充実しているかを確認しましょう。
ここまできたらようやく室内のチェックです。
プライベートの大事な空間になりますから、気になる箇所はどんどん見ていきましょう。
以上、内見時に確認する内容はおよそこのようなものとなりますが、書き出してみると意外と多岐に渡ることが分かります。
また、初見の状態からこれらを十分に確認する為には相応の時間を要する事となります。
時間や体力が許す限り何十件でも内見を行う事は可能であり、件数が増えるごとに経験が積み重なってよりスピーディーに判断を行えるようになることから、内見数は「多ければ多いほど良い!」とも言えます。
ただここで留意すべきなのは「相対的に好条件の物件ほど競争が激しく、すぐに他から申込が入ってしまう可能性が高い」ということです。
具体的な例を挙げると、
「内見可能な5物件をピックアップし、当日それらを内見したが、内見が終わったころには5件中3件が既に他で決まってしまっていた……」
といったことも特に都市部においては珍しくありません。
しかもこのような場合、前述したように相対的に好条件の物件から順に決まってしまう事を考えれば、ただ単純に内見数を増やせば良いという訳ではない事にもなってきます。
さらに踏み込んで言えば、世の中にはお部屋探しに慣れた人や情報収集能力の高い人、決断力の優れた人などが数多く存在します。
条件の良い物件ほどそのような人を相手に競争することになり、内見できない状態(退去前や建築中)でも当然のように申込が入ってしまいます。
となれば、より良い条件のお部屋を見つけたいと思う人ほど、そもそも内見してからお部屋を決めるという順序自体について再考すべきとも言えるでしょう。
上記のような現実があるとは言え、「やっぱり内見せずにお部屋を決めることなんて出来ない!」と思う方も多いはずです。
よって今回は、内見可能な物件の中から最も良い物件を選び取る為にはどうすべきか?という視点で考えてみましょう。
お部屋探しを思い立ったら、通勤・通学ルートなどを考慮しなから、まずは対象のエリアを大まかにイメージしてみましょう。
仮に全く土地勘のない地域であっても、
などで暫定的に調べ始める事が可能です。
その上で、自分のイメージするお部屋の家賃相場は各地域でどの程度なのか、それは現実的なものなのかなどを把握していきます。
家賃相場等の把握には、SUUMO・HOME'S・at homeなどのお部屋探しサイトが役に立ちます。
各地域の不動産業者に問い合わせてみる事も場合によっては有効ですが、その不動産会社が所在するエリア付近や担当者自身が得意とするエリアへの誘導が行われるため、多数の業者への問い合わせを行うほどに、誰のどの言葉を信じれば良いのか分からなくなり、かえって混乱してしまう場合も考えられます。
下調べを行うにあたっては、あらゆる情報を鵜吞みにせずあくまでも参考として、それらの情報を基に「自ら決断を行う」ことが、最終的に納得のいくお部屋探しの為に非常に重要となります。
また、この段階では家賃相場や各地域の特徴を把握することを目的とし、具体的な候補を洗い出す必要はありません。
お部屋探しにおいては、事前に候補を洗い出しておいても、時間の経過とともに他の人が申込してしまう可能性が高まっていくことは前述の通りです。
例えば「1週間後に内見しに行って判断しよう」と思っていても、1週間後の時点で既に決まってしまっていれば、内見にすら行けなくなってしまいます。
また、そのようにして無くなってしまった物件が良い物件であればあるほどに、後ろ髪をひかれて無意識のうちに判断基準を厳しくしてしまうケースも多々あります。
よって、決断の為に内見が必須な場合には、内見しようとする日の1ヶ月前やそれ以上前に具体的候補を見つけようとする事は逆効果とさえ言えるため、内見に行く日から逆算して早くても数日前、または割り切って当日に候補をピックアップすべきでしょう。
不動産業者へ訪問して提案を受ける場合には、プロとしての担当者の力を最大限に発揮してもらう事が必要不可欠です。
いくら自分が入念な下準備を済ませていたとしても、担当者が力を発揮してくれなければせっかくの努力が水の泡になってしまいかねません。
伝える希望条件が曖昧であったり、矛盾点を多く含んだりすると担当者の力を引き出しにくくなるため、できるだけ明確に自分の希望を伝えましょう。
また、仮に複数の業者を訪問しようとしている場合でも、そのことは積極的に話すべきではないでしょう。
なぜなら賃貸取引の性質上、多くの場合、どの地域のどの物件も一つの業者で取り扱う事が出来る為、もし他社にも依頼すると伝えた場合担当者は
「自分が一生懸命仕事をしても、他社で決まってしまえば全てが無駄になるな」
と感じてしまい、提案がおざなりになる可能性があるからです。
まずは「目の前のあなたに全てを任せます」という姿勢で依頼し、全力で提案してもらった結果が芳しくないと感じたら、その時他社に依頼すれば問題ありません。
よって、同日に複数業者への訪問を予約することは避けた方が良いでしょう。
「良い部屋を見つける」事より「複数業者を訪問する」事が目的となってしまうと、本末転倒になってしまいます。
候補物件が具体的になるにつれ、良い物件を確保するために早く内見に行きたい衝動に駆られるかもしれません。
そのような場合にも一旦冷静になり、情報の間違い・見落とし・勘違いなどがないか、改めて情報を整理しましょう。
一般的に、内見後に迷いが生じる状況とは
などという思いが生まれている場合が多いです。
このような状況を生まない為に、
などの諸条件をできる限り明確に設定すべきであり、設定した条件に当てはまる物件を隈なく探し尽くすことで、内見後に迷いの生じる余地を無くすことができます。
また、本記事内「内見時に確認すべき内容」で挙げた項目のうち、実は下線のある部分以外の内容は、現地に行かずとも事前に把握することが可能です。
図面・写真・地図等を基に「行かなくても分かる事」を事前に十分把握することで内見に行く数を絞り込むことができ、そうして内見にかける時間を短縮する事で、良い部屋をスピーディーに確保する結果に繋がります。
漠然と存在する「内見してみないと分からない」という思い込みを一度捨て、事実を一つ一つ確かめて、最終候補を選び出しましょう。
候補の洗い出しが終わったら、内見に行く順番を決めましょう。
ここまでの検討がうまく進んでいれば、候補が複数ある中でも優先順位がつけられているかもしれません。
その場合は優先度の高い物件から内見を行い、想定通りであれば以降の内見を切り上げて申込作業に移ることが最も合理的です。
もし、甲乙つけがたいような場合は、より短時間で移動できるルートを考えてまわりましょう。
ここに至るまで、時間をかけて入念に段取りを行ってきました。
内見では「これまでに調べた事や想定したことが正しいかどうか」を自分の目で見て最終確認を行いましょう。
複数の物件を内見しに行く場合、1件にかける時間が長すぎるとせっかく気に入った物件を確保できない可能性が高まってしまうため、1件あたり10分程度!を目安にしましょう。
申込後でも業者に依頼すれば再度内見しに行くことができる場合が殆どですので、「どうしても時間がかかる」「家具家電を置く場所の採寸をしたい」といった希望がある場合もご安心ください。
以上から、より良いお部屋を選び取る為の内見とは「お部屋を見て良し悪しを判断する」のではなく、「良いと判断したお部屋を見て確かめる」ものであると言えます。
さらに言えば、「精度の高い下調べ・検索・調査を行うことが出来れば、内見せずとも良いお部屋を見極めることができる」とも言えるのではないでしょうか。
勿論内見しなければ分からない事も確かにあり、その点が重要であるならば数多くの内見を繰り返すしかない場合もありますが、少なくとも「とりあえず見に行くべき」「見なければ何も判断できない」といった考え方はせず、より効率的な方法を柔軟に模索することによって、最終的に自分が最も納得できる結果に到達するはずです。
掘り下げてみると意外と奥が深い「内見」。
ただ、本記事の内容はあくまで業者目線の一般論であり、実際にはその部屋を借りる人や住む人によって大事なことや考え方が異なるかと思います。
内見必須であろうとなかろうと、弊社ではお部屋探しの主役となるお客様のサポートを全力で行いますので、いつでもお気軽にお問い合わせください。
【お問い合わせ】 株式会社プレニーズ https://pleaneeds.biz/